恋愛をすると人は馬鹿になる?

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こんにちは、鈴木です。

恋愛は人を馬鹿にするといわれています。これはある意味では正しくある意味では間違っています。男性は女性の身体的魅力の前では判断力が低下しますし、女性は好みの男性の前では男性好みの女を演じようとします。

これらの行動は第三者の目から見れば「馬鹿になっている」と捉えられても不思議ではありません。

鈴木鈴木

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  • 恋のためなら馬鹿をも演じる?

恋愛をすると人は馬鹿になります。

ここでいう馬鹿には2パターンがあります。それが「戦略的自己提示(相手に好印象を与えるために普段とは違った自分を演じること)」と「身体的魅力を前にすると目の前の利益に飛びつきやすくなること」です。

どちらのパターンも本人は至って冷静なつもりです。

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戦略的自己提示とは?

恋愛では戦略的自己提示が見られます。

戦略的自己提示とは「相手に好印象を与えるためにいつもとは違った自分を演じて見せたり普段とは違った行動をとること」です。このような行動(演技)は多かれ少なかれ多くの人が行っています。

また戦略的自己提示の傾向には男女差があります。

  • 男性:恋人の前では強い男を演じる傾向が強い
  • 女性:恋人の前では弱い女を演じる傾向が強い

誰にでも思い当たる節があるはずです。

たとえば恋愛関係の男女にホラー映画を見てもらった実験では「男性には恐怖心を意図的に抑制するような行動が見られる」のに対して「女性には恐怖心を意図的に演じるような行動が見られる」ことが確認されています。

戦略的自己提示は悪いことではありません。

しかし戦略的自己提示も度を超してしまうことにより「本来の自分の姿とはかけ離れてしまう」「成功を回避する動機につながってしまうことがある」「同性からは煙たがれることがある」などのデメリットが生じます。

あまりにも本来の自分とはかけ離れた姿を演じるのはよくありません。

男性は身体的魅力に操られる?

男性は女性のセクシーな姿に操られます。

バンデンバーグらは男性に風景刺激とセクシー刺激を与えた後に遅延価値割引関数(即時少量報酬と遅延多量報酬の関係性をグラフ化したもの)での比較実験を行っています(Van den Bergh,B.,Dewitte,S.,& Warlop,L. 2008)。

その結果「セクシー刺激の後は価値割引の程度が大きくなる」ことが確認されています。これは男性はセクシー刺激を受けることにより将来の大きな利益よりも目の前の小さな利益に飛びつきやすくなるということです。

恋愛により男性は馬鹿になるといえなくもありません。

【補足説明】より直接的な実験(Ariely,D.,& Loewenstein,G. 2006)では、男性は性欲が高まることにより「女性に対する好みが拡大する」ことが確認されています。言い方は悪くなりますが男性は性欲を刺激されることにより「誰でもいい状態」になってしまうということです。

周りが見えなくなるデメリットは?

恋をすると周りが見えなくなります。

これは関係強化バイアス(relationship enhancing bias)により「今の愛は昔の愛よりも深い→自分たちだけが幸せ→他のカップルも(ひいては世の中全体が)幸せ」などのように幸せの感情が強化されていくためです。

このような状態(恋は盲目の状態)による幸福感には性差があります。

  • 男性:相手よりも自分が幸せだと感じる
  • 女性:自分よりも相手が幸せだと感じる

しかし良い面ばかりでもありません。

恋は盲目の状態には恋人以外の人間関係が眼中になくなる(排他的になる)傾向があることからも、「人付き合いが悪くなる」「周りから迷惑がられやすくなる」「恋人以外のサポートを受けにくくなる」などのデメリットが生じることがあります。

特に極端に排他的な関係を気づいてしまうことには「(周りから見れば)あの人は恋愛により馬鹿になった」と思われても仕方ありません。

まとめ・恋愛をすると人は馬鹿になる?

恋愛をすると人は馬鹿になります。

個人差はあるものの多くの人に「戦略的自己提示により普段とは違った自分を演じるようになる」「男性は女性の身体的に魅力にはあらがえない」「恋は盲目の状態は二人だけの世界を作り上げてしまう」などの変化が見られます。

程度の問題ではありますが意識的に注意を払う必要はあります。