愛の吊り橋効果は嘘なのか?

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こんにちは、鈴木です。

テレビや雑誌などでは恋愛心理学の定番テクニックとして「愛の吊り橋効果」といわれる現象を紹介されていることがあります。愛の吊り橋効果とは「吊り橋へのドキドキが相手の魅力に対してだと誤って解釈される現象」です。

これにより恋に落ちやすくなると言われています。

鈴木鈴木

今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 愛の吊り橋効果を使ってみようと思っている。
  • 吊り橋効果の注意点(デメリット)を知りたい。
  • 本当に効果があるのか疑っている。

愛の吊り橋効果は嘘ではありません。

吊り橋効果はいくつかの実験にて確認されています。しかしルックスやタイミングによっては「自分の魅力度を低下させて他の異性を魅力的だと錯覚させてしまうデメリット」を有するテクニックでもあります。

効果的ではありますが条件とタイミングを見誤ってはいけません。

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愛の吊り橋効果の仕組みは?

吊り橋効果の仕組みはシンプルです。

愛の吊り橋効果(Dutton,D.G.,&Aron,A.P. 1974)は「吊り橋を渡ることによる感情の高まり(ドキドキやハラハラする感覚)が一緒にいる人の魅力に対してのものだと誤って解釈されるために恋に落ちやすくなる」という現象です。

遊園地がデートの定番になっているのもうなずけます。

  1. 【吊り橋をわたる】「吊り橋を渡る」ことに代表される(ジェットコースターやお化け屋敷なども同様)ドキドキやハラハラとする状況に置かれる。

    step.1

  2. 【感情が高まる】交感神経が活発になることにより「心拍が増加する」「血圧が上昇する」「呼吸が早くなる」などの変化が起こる。

    step.2

  3. 【ドキドキの理由を探す】無意識に「なぜ感情が高まっているのか?」を知ろうとする。

    step.3

  4. 【恋に落ちる】もしかしたら「デート相手の魅力に対してドキドキしているのでは?」などといった誤った推測をしやすくなる(情動の錯誤帰属:情動の帰属で間違ったラベリングをしてしまうこと)。

    step.4

これにより恋愛が進展しやすくなります。

しかし愛の吊り橋効果はドキドキ(交感神経の高ぶり)を自分の魅力に誤認識させるテクニックですので、本質的には恋愛の種類で言うところの「情熱(スタンバーグの愛の三角理論)」や「エロス(リーのラブスタイル理論)」に該当する愛の形であるといえます。

外見的魅力がポイントになってくると言うことです。

逆効果になってしまう可能性は?

吊り橋効果には外見的魅力が欠かせません。

愛の吊り橋効果の本質は「交感神経の高ぶりをデート相手の魅力だと誤認識させる」ことにあります。このことからもデート相手にある程度の外見的魅力がなければ誤った推測(情動の錯誤帰属)を起こしにくくなってしまいます。

また効果がないだけではなく逆効果になることもあります。

  • 吊り橋効果は感情の高ぶりと外見的魅力を結びつけている
  • ある程度の外見的魅力がなければ結びつきにくい
  • 他の推測(情動の錯誤帰属)をしてしまう

吊り橋効果はルックスが良くなければいけません。

ルックスが良い場合には「感情の高ぶりがデート相手への魅力へとスムーズに結びつきます」が、ルックスが良くない場合には「感情の高ぶりがデート相手への不快感へと結びついてしまう可能性」もあります。

ドキドキするのは「目の前の相手に嫌なことをされたからだ」と推測(情動の錯誤帰属)してしまうことがあるということです。

ライバルがいる場合は最悪?

愛の吊り橋効果は存在します。

しかし吊り橋効果を成功させるためには「ルックスがよいこと」が前提条件となります。つまり、愛の吊り橋効果は「外見的魅力度の高い一部の人にしか使用することのできないテクニック」であるということです。

また失敗によりライバルの魅力度が向上する可能性もあります。

たとえば「複数のカップルに対してジェットコースターに乗り終わってから別の異性の写真を見せてその魅力度を評定する」という実験(Meston,C.M.,&Frohhlichh,P.F. 2003)が行われています。それによると「まだ恋人関係になっていないカップルの場合には自分の魅力度は低下して別の異性の魅力度が上がってしまう」という結果が得られています。

このことからもルックスに自信がない場合には踏んだり蹴ったりな結果になってしまう可能性も否定できないテクニックであるといえます。

まとめ・愛の吊り橋効果は嘘?

愛の吊り橋効果は嘘ではありません。

しかし吊り橋効果が良い影響を与えるのは「自分のルックスがよい場合に限られています」ので無条件で使えるテクニックではありません。吊り橋効果に失敗すると自分の魅力度が低下するばかりかライバルの魅力を向上させてしまう可能性があります。

これらのことからも「勇気のいる恋愛テクニック」であるといえます。